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はじめに:なぜ今、住友ファーマ(4506)に注目するのか?
株式投資において、安定した配当や株主優待は非常に魅力的ですよね。しかし、時には「業績のドン底からの大復活(ターンアラウンド)」を狙うことで、大きな値上がり益(キャピタルゲイン)を期待できる銘柄が存在します。
その筆頭候補として現在市場の熱い視線を集めているのが、大手製薬会社の**「住友ファーマ」**です。今回は、住友ファーマの株主優待や配当の現状、そして劇的な回復を見せている最新の業績見通しについて詳しく解説します。
住友ファーマの株主優待:区分や権利確定月、利回りは?
結論からお伝えすると、現在住友ファーマは「株主優待制度」を実施していません。
株数の区分(100株、500株など)や権利確定月、自社製品の詰め合わせなどを期待して調べていた方には残念なお知らせとなります。住友ファーマは基本的に「事業の成長」と「配当(※後述)」による利益還元を方針としているため、優待利回りは実質0%となります。優待目的での投資を検討していた方は、この点に十分注意してください。
かつては高配当の常連!現在の「配当金」はどうなっている?
株主優待がないなら、配当金はどうでしょうか? 実は住友ファーマは、数年前までは1株あたり年間28円の高配当を出しており、インカムゲイン(配当収入)狙いの投資家から非常に人気の高い銘柄でした。
しかし、現在は残念ながら**「無配(配当金0円)」**となっています。
【近年の配当金推移】 | 決算期 | 1株あたりの年間配当金 | | :--- | :--- | | 2022年3月期 | 28円 | | 2023年3月期 | 21円(減配) | | 2024年3月期 | 0円(無配) | | 2025年3月期 | 0円(無配) | | 2026年3月期(会社予想) | 0円(無配) |
なぜここまで配当が下がってしまったのか?その最大の理由が、次で解説する「業績の悪化(そして現在進行形の回復)」に直結しています。
ドン底からのV字回復!?大注目の「業績見通し」
住友ファーマの業績を語る上で欠かせないのが**「ラツーダ・クリフ(特許の崖)」**です。 同社の売上を長年支えてきた主力製品である統合失調症治療薬「ラツーダ」の米国での独占販売期間が2023年に終了し、安価なジェネリック医薬品が大量に参入しました。これにより売上が激減し、2024年3月期には数千億円規模の最終赤字という過去最大のドン底を経験しました。配当がゼロになったのもこれが原因です。
しかし、ここからが現在の最大の魅力です。 直近の決算(2026年3月期 第3四半期)では、なんと**最終利益が1,077億円(前年同期比で約4倍以上)**と、凄まじいV字回復を見せています。
この大復活を強力に牽引しているのが、北米市場で急成長している以下の新薬です。
- オルゴビクス(進行性前立腺がん治療薬)
- ジェムテサ(過活動膀胱治療薬)
この2つの薬の売上が絶好調で、失われたラツーダの穴を猛烈な勢いで埋めつつあります。会社側の通期予想でも黒字の定着が見込まれており、「最悪の期は完全に脱した」と市場から好感されています。
投資する前に絶対知っておきたい「注意点」
魅力的な回復劇を見せている住友ファーマですが、投資にあたっては以下の点に注意が必要です。
- 復配(配当の再開)の時期は未定 業績は劇的に回復していますが、まずは傷んだ財務基盤の立て直しが優先されています。そのため、2026年3月期も無配予想となっており、「すぐに配当金が欲しい」というインカム狙いの方には不向きです。
- 北米市場への依存度が高い 現在の好業績は北米での新薬販売にかかっています。為替変動(円高ドル安)や、現地での競合薬の動向によって業績が大きくブレるリスクがあります。
- 株価のボラティリティ(変動幅) 赤字転落から黒字化への過渡期にあるため、決算発表や新薬の治験結果のニュースが出るたびに株価が大きく上下に動く傾向があります。
まとめ:住友ファーマは「キャピタルゲイン(値上がり益)」を狙う銘柄!
住友ファーマ(4506)の株式投資についてまとめます。
- 株主優待はなし、配当も現在は「無配(0円)」
- 主力薬の特許切れによる大赤字から、現在は劇的なV字回復中!
- 北米での新薬(オルゴビクス・ジェムテサ)が大ヒットし業績を牽引
- 配当や優待狙いではなく、業績回復に伴う「株価の値上がり益」を狙う銘柄
高配当株をコツコツ買い増す安定投資とは真逆のアプローチになりますが、「業績が回復していく過程に乗る」という株式投資のもう一つの醍醐味を味わえる銘柄です。普段の優待・高配当ポートフォリオへの「スパイス」として、監視リストに入れてみてはいかがでしょうか?